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東京芸術劇場 コンサートオペラvol.1

バルトーク 歌劇「青ひげ公の城」

バルトーク 歌劇「青ひげ公の城」

青ひげ公の世界 ―― 井上 道義

「青ひげ公の城」は全ての男性の中に存在している記憶の城。

男なら誰しもが思う事・・・・同じ人間でありながら大いに違う生き方をしている・ら・し・い・

女性の持つ記憶と、男のそれとの違いが主題。
最近は女性パワーが男より勝るという平和な?時代だ。アマゾネス神話を別とすれば戦争は

男の特許であり続けた事を歴史が証明している。
中東周辺で今も果てしなく起こっている宗教がらみの戦争は、過去の記憶を消すことができない、

「男性的記憶装置」のなせる結果かもしれない。
大げさに問題をすり替えなくても、青ひげ公の城の中、幾つかの部屋に蓄積されているような

人々の過去の記憶は、今では、厚い本を読んだり、探し回る努力なしに、誰でもがすんなり得られる

お手軽な「電子情報」として、お手軽に思い出すことを可能としている。
忘れれば良いような過去の情報さえも、何回も目の前にあたかも昨日の出来事のように再生されてしまう。過去と現在は別で過去の愛と今の愛は同時には両立しないし、それが同時に結び合わされるのは、

音楽や舞台上など、芸術の世界でだけだ・・・というのが女性的記憶回路。そんな、男から見れば

人間とは思えない、切り替えと割り切りの「上書き機能付き記憶回路」を持つのが女性。

しかしそこがいとおしく、可愛く感じられる原因であることが我々青ひげには恨めしい。

日程
2013年09月13日 (金)19:00 開演(18:00 ロビー開場)
会場
コンサートホール
曲目

オッフェンバック(ロザンタール編曲)/バレエ音楽「パリの喜び」
バルトーク/歌劇「青ひげ公の城」※照明:足立恒

出演

指揮:井上道義

管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

独唱:コヴァーチ・イシュトヴァーン(青ひげ公/バス)

メラース・アンドレア(ユーディト/メゾ・ソプラノ)

仲代達矢(吟遊詩人)

プロフィール
井上道義(指揮)Michiyoshi Inoue, Conductor
井上道義

©OrchestraEnsembleKanazawa

 1946年東京生まれ。桐朋学園にて齋藤秀雄氏に師事。1971年グィド・カンテルリ指揮者コンクールに優勝、一躍内外の注目を集め、国際的な活動を開始。1983~1988年新日本フィル音楽監督、1990~1998年京都市響音楽監督、常任指揮者を歴任。シカゴ響、ロイヤル・フィル、ベルリン、ハンブルク等の放送交響楽団、ミュンヘン・フィル、ドレスデン・フィル、フランス国立管、スカラ・フィル、ロシア国立響、レニングラード響、ボルティモア響などに客演。1999~2000年、マーラーの交響曲全曲演奏会を新日本フィルと行い「日本におけるマーラー演奏の最高水準」と高く評価された。

 オペラでは、1984年藤原歌劇団《蝶々夫人》を指揮しデビュー。1999~2001年、Bunkamuraとエディンバラ国際フェスティバルの共同公演《トゥーランドット》、2000~03年新日本フィルとコンサート・オペラ・シリーズ、《道化師》&《カヴァレリア・ルスティカーナ》、《死の都》、《ナクソス島のアリアドネ》、新国立劇場《運命の力》、東京芸術劇場シアターオペラ《イリス》など、常にセンセーショナルな成功を収めている。

 2007年には日露5つのオーケストラとともに「日露友好ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏プロジェクト2007」を東京・日比谷公会堂にて開催。音楽・企画の両面で大きな成功を収めた。2007年1月よりオーケストラ・アンサンブル金沢音楽監督ならびに石川県立音楽堂アーティスティック・アドバイザー。

http://www.michiyoshi-inoue.com/

コヴァーチ・イシュトヴァーン(青ひげ公/バス)Kovács István, Bass
コヴァーチ・イシュトヴァーン

 1972 年生まれ。ハンガリーのバス、コヴァーチは、フランツ・リスト音楽学校に学んだ後、ハンガリーを代表するバスとして知られるラズロ・ポルガーに師事した。

 ザルツブルク・モーツァルト国際コンクールをはじめ、数々のコンクールに入賞。1999/2000 シーズンには、トリノ王立歌劇場に招かれ、『放蕩者のなりゆき』『ヴォツェック』『ランメルモールのルチア』などに出演した。以来オペラでは、『ドン・ジョヴァンニ』タイトルロール、『皇帝ティートの慈悲』『トスカ』『トゥーランドット』『午後の曳航』などに出演。コンサートの活躍もめざましい。2009/10 シーズンは、ロッシーニ『ランスへの旅』『マホメットⅡ世』、ヴェルディ「レクイエム」などに、2010/11 シーズンは、メンデルスゾーン「エリア」、『カルメン』、「マタイ受難曲」、リリング指揮「ミサ曲ロ短調」などに出演。I . フィッシャー指揮『青ひげ公の城』でタイトルロールを歌った。

メラース・アンドレア(ユーディト/メゾ・ソプラノ)Meláth Andrea, Mezzo Soprano
アンドレア・メラース

  リスト音楽院をディプロマで卒業後、ハンガリー国内および外国で多数のフェスティバルに出演。1999年にウィグモアホール国際声楽コンクール第3位を受賞。1998年からハンガリー国立歌劇場に定期的に出演している。2001年にはハンガリー文化省からリスト音楽賞、国立歌劇場からベストヤングアーティスト賞を受賞。
 2001年以降、ユーディット(青ひげ公の城)役でグラスゴー、マレーシア、パレルモ、ロンドン、アムステルダム、ブカレスト等ヨーロッパ各都市に出演。2009年にはシュトゥットガルト国立歌劇場に同役でデビュー。またR.シュトラウス「ばらの騎士」(オクタヴィアン)、ヘンデルのセルセ、J.シュトラウス「こうもり」(オルロフスキー)、で数々の劇場に出演。
コンサートソリストとして、Z・コチシュ、I・フィッシャー、J・シモノフ等と共演。2007年バルトーク音楽賞を受賞。

 2011年にはシュトゥットガルト国立歌劇場でプーランク「カルメル会修道女の対話」に出演。ユーディット役でフィンランド、サヴォリンナ夏の音楽祭、ニース歌劇場、NHK交響楽団定期演奏会(C.デュトワ)に出演。
 ナクソスからはバルトーク歌劇「青ひげ公の城」(ユーディット)、フンガトロンレーベルから数々のCDをリリースしている。

仲代 達矢(吟遊詩人)Tatsuya Nakadai, Minnesänger
仲代 達矢

 1932年東京生まれ。俳優座養成所を経て、1975年無名塾設立。舞台「ハムレット」「マクベス」「オセロ」「リチャード三世」他多数に出演。その間、芸術選奨文部大臣賞、毎日芸術賞、紀伊国屋演劇賞、05年「ドライビング・ミス・デイジー」で芸術祭大賞(作品賞)等受賞。
 映画では小林正樹監督「人間の条件」、「切腹」等、黒澤明監督「用心棒」「天国と地獄」「影武者」「乱」他。その他、市川崑、木下恵介、成瀬巳喜男、岡本喜八、山本薩夫、勅使河原宏監督など巨匠作品に主演。ブルーリボン賞などの主演男優賞受賞多数。2010年小林政弘監督「春との旅」。出演映画は米国アカデミー賞と世界三大映画祭(カンヌ・ヴェネチア・ベルリン)のすべてで受賞。

 近年では、小林政弘監督「日本の悲劇」(日本未公開)、齊藤潤一監督「約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯」に出演した。

主催:東京芸術劇場 (公益財団法人東京都歴史文化財団)

助成:文化庁ロゴマーク平成25年度 文化庁 劇場・音楽堂等活性化事業