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東京芸術劇場コンサートオペラvol.4

モーツァルト/歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』
*演奏会形式 全2幕 原語上演(日本語字幕付き)

ジョナサン・ノット(指揮)よりメッセージ

ジョナサン・ノット

© K.Miura

「客席と舞台が一体化する特別な体験―」

私は、演奏会形式のオペラがとても好きです。

それはなぜか。 通常のオペラでは歌手は客席から遠くに配置されていますが、演奏会形式では、歌手は聴衆に向かい合い、まるで昔の吟遊詩人のように目の前で一対一で話しかけるようにみなさんに歌いかけることができるのです。 オーケストラも、ピットに隠れず参加型で臨みます。オペラ演奏においても素晴らしい経験を積んでいる東京交響楽団ですが、こうした経験は柔軟性を保つために重要です。 そして今回、特に楽しみにしているのは、すべてのレチタティーヴォを私がハンマークラヴィーアで演奏することです。 オーケストラと一丸となって聴衆に向き合い、巻き込みながら一緒にコンサートを作るという特別な体験になるのです。

ディレクションは、バンベルク交響楽団でも共演した、現代最高のバリトン歌手の一人、サー・トーマス・アレンに依頼をしました。日本で「コジ・ファン・トゥッテ」をやると決めた時、ディレクションもドン・アルフォンソ役も、とにかく彼しかいない!と思ったのです。 その他にも、これまで共演したことのあるミア・パーション(フィオルディリージ)、マイテ・ボーモン(ドラベッラ)、ショーン・マゼイ(フェルランド)、若手で世界に名をはせるマルクス・ウェルバ(グリエルモ)、ヴァレンティナ・ファルカス(デスピーナ)と、世界中で活躍している素晴らしい歌手たちがこのプロジェクトに集います。

この特別な舞台に、どうぞいらしてください。

ジョナサン・ノット


サー・トーマス・アレン(舞台監修、ドン・アルフォンソ役)よりメッセージ

サー・トーマス・アレン

© Sussie Ahlburg

1990年、私はマエストロ、ジュゼッペ・シノポリと共に東京芸術劇場を訪れ、2週間という短期間にマーラーの声楽作品及び声楽を含むすべての交響曲を演奏しました。

毎晩行われたその演奏会は壮大なプログラムで、ヨーロッパの歌手陣により交響曲と偉大なる声楽作品が演奏されました。私はソリストとして『嘆きの歌』『子供の不思議な角笛』『千人の交響曲』『さすらう若人の歌』に出演しました。
重要なことは、この時、著名なイギリスのオーケストラと共に日本の歌手がいくつかの作品で共演する機会があったことです。また、マーラー作品を知りたい、という聴衆の皆さんの熱心な思いが強烈に印象に残っています。

近年、マエストロ、ジョナサン・ノットは、バンベルグで『コジ・ファン・トゥッテ』を含むオペラを連続上演しています。このオペラ・シリーズは、大道具やカーテンなどではなく、オーケストラに囲まれて演奏するコンサート形式で、長時間にわたり集中し、飽きずに演奏を聴いてもらうという点で、大きなチャレンジです。

『コジ・ファン・トゥッテ』では、往々にして、芝居のためにテキストや音楽が編集されカットされてしまいますが、マエストロは“カット無し”で演奏することを英断しました。『コジ・ファン・トゥッテ』という作品は、「全編演奏すると長過ぎる」という意見は常にあります。しかし、真実は、この作品は長すぎることも、短すぎることもありません。作品は作品であり、カットされていない作品はとても美しい・・・ですので、“長過ぎる“などと感じることもないのです。

私が残念に思うのは、しばしば美しい音楽のセクションがカットされてしまい、作品に違和感が生じてしまうことです。マエストロ・ノットは、このようなしばしばカットされてきたセクションを、素晴らしい演奏家と共に敢えて忠実に演奏し、それらのセクションがいかに美しいかということを含め、この音楽作品の真の姿を示そうとしています。

私は、今回、再び東京芸術劇場で皆さんとお会いできることをとても楽しみにしています。
そしてまた、本公演が、聴衆の皆さんひとりひとりに人生の複雑さについて思いを巡らせ、また大いに楽しんでいただける演奏会となるものだと確信しています。

モーツァルトの音楽がすべてです。これ以上、誰が、なにを求めるのでしょう?

サー・トマス・アレン

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