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野田秀樹作品『THE BEE』English versionワールドツアー2013、イスラエル・フェスティバルで開幕!

東京芸術劇場の芸術監督 野田秀樹が国際的なキャスト・スタッフと作りあげた代表作の一本である「THE BEE」English Versionの2013年ワールドツアーが、5月31日、イスラエルのエルサレムで開催中のイスラエル・フェスティバルで開幕しました。
会場のレベッカ・クラウン・ホールにて現地時間12時に開演したこの作品。平凡なサラリーマン(演じるのは名女優キャサリン・ハンター)がある日、脱獄囚に自分の妻と子供を人質にとられて自宅にたてこもられたことから、逆に脱獄囚の妻(演じるのは野田秀樹)とその子供を人質にとり、メディアを巻き込んで壮絶な復讐に出るという物語です。9.11に触発された野田が『終わりなき暴力の連鎖』を描いたこの作品が、昨年のNYでの公演を経て、今年は3つの世界的宗教(キリスト教、イスラム教、ユダヤ教)誕生の地で上演されました。終演後、客席は緊張の続く街ならではの、熱い反応に包まれ、ブラボーの歓声が響く中、4度のカーテンコールの中、初日の幕を閉じました。
エルサレムでの公演は、6月1日にも行われ、6月7日~8日にはソウルの明洞(ミョンドン)芸術劇場(韓国国立劇場)、6月15日~16日にはシビウ国際フェスティバル(ル-マニア国立ラドゥ・スタンカ劇場)と世界巡回致します。昨年は、9.11から10年を経たニューヨーク、この作品を初演したロンドン、そして香港、東京を巡る世界一周ツアーを行い、大反響を得たこの「THE BEE」English Version。今年は舞台美術を堀尾幸男デザインによる日本版の紙のセットに一新し、海外で成果を問います。
さらに来年春にもヨーロッパツアーを企画しており、蜂の羽ばたきは当分続きそうです。
『THE BEE』English version ワールドツアー2013イスラエル・フェスティバル 『THE BEE』English version ワールドツアー2013イスラエル・フェスティバル

photo: Maxim Reider

野田 秀樹 コメント

2006年に、ロンドンで「THE BEE」を役者たちと創作しながら、この芝居のテーマを最も敏感に感じるであろうイスラエルでは、どう受け止められるのかと話しあっていた。今日の観客の反応はとても素晴らしく、鳴り止まない拍手に4度のカーテンコールがあった。初日を観に来たイスラエルの役者たちが、「芝居の中で繰り返される、お互いの指を切りあって送りつける様はイスラエルとパレスチナのことのようで、深く感銘を受けた。この作品は絶対に観ないといけない。今すぐたくさんの人達に伝えたい。」と言ってくれた。この話をイスラエルの観客に渡すことができたことが、とても嬉しい。

野田 秀樹
2013.05.31

イスラエル・プレミア

日程:5月31日(金)12:00開演
会場:レベッカ・クラウン・ホール(Rebecca Crown Hall,)
   エルサレム・シアター内 エルサレム、イスラエル。 (客席数:450)

原作:筒井康隆 ~「毟りあい」(新潮社)より~
   共同脚本:野田秀樹&コリン・ティーバン
演出:野田秀樹
出演:キャサリン・ハンター、グリン・プリチャード、マルチェロ・マーニ、野田秀樹
主催:東京芸術劇場  企画・制作協力 NODA MAP

2013.06.04